ホームページ制作の依頼書の書き方 伝えるべき項目と使い回せる型
複数の制作会社に相談したら、出てきた見積もりの金額が何倍も違っていて比べられない。同じ話をしたつもりなのに、提案の中身もばらばらで、どれが自社に合っているのか判断できない。こうなる原因の多くは、各社の実力の差ではなく、こちらが伝えた情報の量と粒度が会社ごとに違っていたことにあります。
依頼書を1枚用意しておくと、この問題はほとんど解消します。同じ紙を全社に渡せば、同じ前提での提案が集まり、比較ができるようになります。難しい書類を作る必要はなく、A4で1枚から2枚あれば十分です。この記事では、依頼書に書くべき項目と、見積もりを比べられる形にするための書き方を整理していきます。
この記事でわかること
- 依頼書を用意すると何が変わるのか
- 書くべき7つの項目と、それぞれの書き方
- 見積もりを比べられる形にするコツ
- 書けない項目があるときの扱い方
依頼書を用意すると何が変わるか
口頭やメールでのやりとりだけでも相談は進みますが、紙にしておくと次の3つが変わります。
見積もりが比較できるようになる
各社に同じ条件を渡せば、出てくる金額の差が「実力や方針の差」として読み取れます。渡した情報が会社ごとに違うと、金額の差が何に由来するのかがわからなくなります。比較の土俵をこちらで作るのが依頼書の一番の役割です。
社内の合意形成に使える
依頼書を書く過程で、目的や対象を社内で決めることになります。ここが決まっていないまま制作に入ると、途中で方針が揺れて日程も費用も膨らみます。依頼書はそのまま社内の稟議資料としても使えます。書き方はリニューアルの要件定義と社内の進め方をまとめた記事でも整理しています。
提案の質が上がる
制作会社の側から見ると、判断材料が多いほど具体的な提案ができます。逆に情報が少ないと、無難な標準プランを出すしかなくなります。詳しく伝えるほど高い見積もりが来る、というのは誤解で、実際には的外れな提案が減ります。
依頼書に書く7つの項目
次の7項目があれば、制作会社は見積もりを組めます。すべてを埋められなくても構いません。
| 項目 | 書く内容 | 抜けると起きること |
|---|---|---|
| 1. 会社概要 | 社名、事業内容、規模、所在地 | 提案が業種に合わない |
| 2. 目的 | 何を解決したいのか | デザインの好みの話で終わる |
| 3. 対象 | 誰に見てほしいのか | 全方位の当たり障りない案になる |
| 4. ページ構成 | 必要なページと役割 | 見積もりの前提がそろわない |
| 5. 必要な機能 | フォーム、更新、多言語など | 後から追加費用が発生する |
| 6. 予算と時期 | 初期と月額の上限、公開希望日 | 現実的でない提案が来る |
| 7. 体制と支給範囲 | 原稿と写真は誰が用意するか | 着手後に作業が止まる |
1. 会社概要は簡潔に
社名、事業内容、従業員規模、所在地と対応エリア。これだけで構いません。会社案内のPDFがあれば添付するほうが早く伝わります。
2. 目的は困りごとで書く
「デザインを新しくしたい」ではなく、実際に起きた困りごとを3つほど並べてください。スマートフォンで読みづらいと取引先に言われた、求人に応募が来ない、問い合わせ先がわかりにくいと指摘された。具体的な出来事のほうが、制作会社は打ち手を考えられます。
3. 対象は絞る
見てほしい相手を一つに絞り、次点を一つ添える程度にしてください。「お客様と求職者と取引先すべて」と書くと、どこにも刺さらない提案が返ってきます。
4. ページ構成は役割まで書く
ページ名を並べるだけでなく、そのページで訪問者に何を理解してほしいのかを一行添えてください。ページ数は見積もりの根幹になる情報なので、おおよそでも示しておくと精度が上がります。中小企業のホームページの構成をまとめた記事が参考になります。
5. 必要な機能は「要る」「要らない」を明示
問い合わせフォーム、地図、ブログやお知らせの更新機能、予約、多言語、会員機能。要らないものも「不要」と書いておくと、見積もりに余計な項目が入りません。とくに公開後に自社でどこまで更新したいかは、必ず書いてください。ここで費用も作りも変わります。
6. 予算と時期は幅で書く
予算を伏せると比較できない見積もりが並びます。初期にいくらまで、月々いくらまでという幅で示してください。時期についても、展示会や採用の募集開始など動かせない予定があれば明記します。目安についてはホームページリニューアルの期間をまとめた記事で確認できます。
7. 体制と支給範囲がいちばん重要
制作が止まる原因の大半は、原稿と写真です。原稿は自社で書くのか、ヒアリングして書いてもらいたいのか。写真は既存のものを使うのか、撮影を依頼したいのか。ここを書いておかないと、見積もりに含まれているかどうかが会社ごとにばらばらになり、比較ができません。あわせて、社内の窓口担当者と最終決裁者が誰かも書いておいてください。
見積もりを比べられる形にするコツ
依頼書を渡すだけでなく、返してほしい形も指定しておくと、比較がさらに楽になります。
内訳を分けて出してもらう
総額だけの見積もりは比べられません。デザイン、ページ制作、原稿作成、写真撮影、機能開発、初期設定、公開後の月額。この単位で分けて出してもらうよう依頼書に書いておくと、どこに差があるのかが一目でわかります。
公開後の費用も必ず出してもらう
初期費用だけを比べると、公開後に高額な保守が必要な提案を見落とします。月額でいくらかかるのか、そこに何が含まれるのかまで含めて出してもらってください。ホームページの保守契約で確認することをまとめた記事で、確認すべき項目を整理しています。
提出期限を書いておく
期限がないと後回しにされます。いつまでに見積もりが欲しいかを明記してください。あわせて、いつ頃決定する予定かも書いておくと、相手も社内の予定を組めます。
依頼書は使い回す
一度作れば、複数社に同じものを渡せます。次回のリニューアルのときにも下敷きとして使えるので、作った依頼書はファイルとして保管しておいてください。
書けない項目があるときの扱い
すべてを埋められないことのほうが普通です。埋まらない項目の扱い方を挙げます。
「未定」と書いて渡す
空欄のまま渡すと、相手は勝手に前提を置きます。「未定」「相談したい」と明記しておけば、そこは提案してもらう箇所だと伝わります。むしろ相談したい点をはっきりさせるほうが、良い提案を引き出せます。
ページ構成が決まらない場合
今のサイトのページ一覧を渡し、「この構成をどう見直すべきかも含めて提案してほしい」と書けば十分です。ゼロから構成を決めてから相談する必要はありません。
そもそも完成イメージが見えない場合
依頼書を書こうとしても、出来上がりが想像できないと手が止まります。参考にしたいサイトのURLを2つか3つ挙げて、どこが良いと感じたかを一行添えるだけでも、方向性は十分に伝わります。
もう一つの方法として、契約前に実際の画面を見てから判断できるサービスを使う進め方もあります。たとえばサブスク型のホームページ制作である見てからwebでは、契約前に動くトップページを最大3案まで無料で制作し、実物を見てから契約を判断できる形をとっています。制作費は0円で、料金はLIGHTプラン(1〜2ページ)が月額9,900円、BUSINESSプラン(3〜7ページ)が月額14,900円、RECRUITプラン(8〜12ページ)が月額19,900円、いずれも税別・最低契約6ヶ月です。月額には毎月3回までの更新、SEO、SSL、サーバーとドメインの管理が含まれます。依頼書を細かく詰める前に、実物を見ながら要望を固められるため、書類づくりで止まりやすい会社には合った進め方です。
ただし、複数社を横並びで比較して選定する必要がある場合や、独自の機能開発を含む規模の場合は、依頼書をしっかり作って相見積もりを取るほうが適しています。案件の性質から選んでください。
依頼書を書く前に、まず実物を見て要望を固めることもできます。今のサイトのURLを送るだけで、トップページ案を無料で確認できます。
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よくある質問
依頼書はどれくらいの分量が必要ですか
A4で1枚から2枚あれば十分です。会社概要、目的、対象、ページ構成、必要な機能、予算と時期、体制と支給範囲の7項目が入っていれば、制作会社は見積もりを組めます。長い書類より、比較の前提がそろっていることのほうが重要です。
予算は書かないほうが安く済みますか
逆になることが多いです。予算を伏せると各社が想定する規模がばらばらになり、比較できない見積もりが並びます。初期にいくらまで、月々いくらまでという幅で示せば、その範囲での最善案が出てきます。
ページ構成が決まっていなくても相談できますか
できます。今のサイトのページ一覧を渡し、構成の見直しも含めて提案してほしいと書けば十分です。ゼロから構成を確定させてから相談する必要はありません。決まっていない項目は「未定」「相談したい」と明記して渡してください。
何社に依頼書を渡せばよいですか
3社程度が扱いやすい数です。多すぎると比較と連絡の手間が増え、判断が遅れます。少なすぎると相場感がつかめません。同じ依頼書を渡していれば、3社でも十分に差は見えます。
見積もりで比べるべき項目は何ですか
総額だけでなく、内訳と公開後の月額です。デザイン、ページ制作、原稿作成、写真撮影、機能開発、初期設定、月額保守の単位で分けて出してもらってください。初期費用が安くても、公開後の月額が高い提案もあります。あわせて、原稿と写真がどちらの負担になっているかも確認してください。
まとめ
ホームページ制作の依頼書は、比較の土俵をこちらで作るための書類です。同じ紙を各社に渡せば、返ってきた見積もりの差が実力や方針の差として読み取れるようになります。A4で1枚から2枚あれば十分で、難しい書類にする必要はありません。
書くべきは、会社概要、目的、対象、ページ構成、必要な機能、予算と時期、体制と支給範囲の7項目です。なかでも体制と支給範囲は見落とされやすく、原稿と写真をどちらが用意するのかが曖昧なままだと、見積もりの前提がそろわず比較できなくなります。
返してほしい形も指定しておいてください。内訳を分けて出してもらい、公開後の月額まで含めてもらう。そして提出期限を書く。埋められない項目は空欄にせず「未定」「相談したい」と明記すれば、そこは提案してもらう箇所だと伝わります。書類づくりで止まるくらいなら、実物を見ながら要望を固める進め方に切り替えるのも一つの手です。
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